イタリアのプレミアムスポーツブランド「MONCLER(モンクレール)」と「sacai(サカイ)」のデザイナー阿部千登勢によるコラボレーションライン「モンクレール S」が、現在販売中の2012-13年秋冬コレクションをもって終了する。「モンクレール V」(2011年春夏シーズンで終了)や「モンクレール R」など様々なラインを発表してきた「MONCLER」だが、早くも次のコラボ相手について候補デザイナーが浮上しているようだ。
プレミアムダウンの代名詞とも言われている「MONCLER」は、メインラインに加えて外部デザイナーとコラボレーションした複数のラインを展開している。Giambattista Valli(ジャンバティスタ・ヴァリ)が手がけるウィメンズの「Gamme Rouge(ガム・ルージュ)」、Thom Browne(トム・ブラウン)が手がけるメンズの「Gamme Bleu(ガム・ブルー)」は、いずれもメインラインより高額のファーストラインとしてコレクションを発表している。これに加えて2009年に誕生したのが、デザイナーズブランドとのコラボライン。期間限定のコレクションだが、最も長い期間にわたって展開されていたのがデザイナー阿部千登勢を迎えたウィメンズライン「モンクレール S」だ。パリコレクションに参加する「sacai」の飛躍とともに、2010年春夏から6シーズンにわたり人気を集めてきた。一方メンズでは、「VISVIM(ビズビム)」 デザイナー中村ヒロキによる「モンクレール V」が2シーズン展開され、その終了に続いて2012-13年秋冬シーズンよりロンドンのデザイナーChristopher Raeburn(クリストファー・レイバーン)による「モンクレール R」がスタートしている。
モンクレール側はラインの継続や廃止などについて表立って発表していないが、「モンクレール S」の終了に伴い、業界では早くも次のラインの噂が上がっている。次は「S」に代わるウィメンズラインになるという見方があり、この場合はグローバルで受け入れられる実力があるデザイナーが前提だろう。一方で、"モンクレール独占市場"とさえ言われる日本のダウン市場を睨んだ日本人デザイナーの起用も根強く、その場合は「モンクレール V」のようにストリートに強いブランドが濃厚。「MONCLER」が持つ60年間の歴史的アーカイブを解釈するためのアウトドアに関する知識や、それをタウンユースとして落とし込めるバランス感覚があるデザイナーが求められるのではないだろうか。
もし新ラインが発表されるなら、2013年12月上旬にミラノで予定されている「MONCLER」の展示会での発表が有力。そこで発表される場合は、日程上メンズラインになる可能性が高い。